60分2980円の救済

結論の出ない会議を終えて、その結論のなさを引きずりながらの帰宅途中の電車で、途轍もなく気分が悪くなるほどの肩こりに襲われ、駅前のビルの3階の窓に大きく掲げられた60分2980円の達人に助けを求め、吸い込まれるようにエレベーターに乗り、部屋に飛び込んだ。予約もしていなかったが、よほどひどい顔していたのか店長が、どうぞ、とマーサージ台へ案内してくれた。縋るように、上着を脱ぎ、ネクタイを外し、靴を脱ぎ捨て、準備して待つこと数分、店長自らマッサージを始めてくれた。おー、頭の中のしこりが柔らかく解けてくる、店長さんその手を私の体から離さないで下さい、お願いです、そのままいつまでも続けて下さい、この凝りあの凝りその凝り引きずる結論の出ない会議、なぜそれをあなたは知っているのですか、その指はなぜ見つけられるのですか、今日は来るべきしてここへ来たと思うし、ここで達人の指に思考の持久力を注入されながら会議などはやるべきだと思いつつ、マッサージ台の顔の穴から大きく息を吸い込むと、店長の体臭が飛び込んできた。いやいや許そうこんな時間だ汗だってかく、しかしその臭いが鼻に付く、凝りが解れるにつき、より鼻に付いて離れなくなる。客商売だろ!店長だろ!残念だろ!60分の終了時に店長は90分コースを勧めてくれた。私は予約なしでもすぐ対応してくれたことに礼を言い、さっきとは違う物を引きずりながらの帰宅となった。

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bcrugby7s

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